ドローンに使われる電池はどんなもの?

今回、ドローンに使われている電池として、リチウムイオン電池とリチウムポリマー電池について紹介します。

また、これらの電池の構造や安全性の違いについても、詳細に説明。ドローンに使われる電池を安全に使う方法についても触れています。ぜひ、最後までご覧ください。

ドローンに使われている電池とは

ドローンに使われる電池は、充電と放電が可能な二次電池で、次の電池が使われます。

[su_list icon=”icon: check” icon_color=”#b10e1d” indent=”5″]
  • リチウムイオン電池
  • リチウムポリマー電池
[/su_list]

このリチウムイオン電池とリチウムポリマー電池の電気的な動作原理はまったく同じです。正極(プラス極)と負極(マイナス極)の間をリチウムイオンが行き来することで、充放電する原理です。

充電

放電

また。エネルギー密度が高く、電池を小型化・軽量化できること。メモリー効果がなく、完全放電しなくても充電容量が減らない点も共通しています。

しかし、リチウムイオン電池とリチウムポリマー電池は、構造上に大きな違いがあり、それにより特徴が変わります。以下に簡単にリチウムイオン電池とリチウムポリマー電池の違いをまとめてみました。

リチウムイオン電池とリチウムポリマー電池の違い

次から、リチウムイオン電池とリチウムポリマー電池の特徴や気になる安全性について、詳しくみていきましょう。

リチウムイオン電池の特徴

リチウムイオン電池の特徴

リチウムイオン電池は大容量の電気を蓄えられる電池で、スマートフォンやパソコンの電池としても使われます。

リチウムイオン電池とは?

二次電池の構造は、正極と負極そして電解質からなっています。リチウムイオン電池はこの電解質が「電解液」です。

また、製造工程を自動化できるので、コストを抑えられます。

リチウムイオン電池の安全性は?

リチウムイオン電池の発熱や発火事故について、時々、ニュース報道があります。これは電解質が電解液であることに起因するものが少なくありません。

リチウムイオン電池が異常発熱する原因は大きく、「過充電」「外部短絡」「内部短絡」の3つに分類可能です。このうち、リチウムイオン電池の構造の影響をうける要因は「内部短絡」に分類されます。

内部短絡は「外部衝撃」「劣化」「使用環境」「過放電」など、さまざまな要因により発生します。

この中でも電解液に由来するものは、「揮発性が高く可燃性である」「液漏れの恐れがある」という要因です。

これらに加えて、製造工程において不純物が混入したり、制御回路の不良があったりするなど、複合的な要因により異常発熱・発火・爆発につながります。

リチウムイオン電池の発火事故

リチウムポリマー電池の特徴

リチウムポリマー電池の特徴

リチウムポリマー電池とリチウムイオン電池の電気的な構造はまったく同じです。

現在のところ、リチウムイオン電池と違い、製造工程を完全に自動化できていないので、製造コストがかかります。

それではリチウムポリマー電池について詳しくみていきましょう。

リチウムポリマー電池とは?

リチウムポリマー電池の電解質には、電解液ではなく、ゲル状の高分子ポリマー材料を使用しています。そのため、円筒形やシート状など希望の形状に加工しやすいのです。

リチウムポリマー電池の安全性は?

まず、電解質がゲル状であるため、揮発しにくく燃えにくい点があります。

また、シート状に加工すれば、放熱面積を大きくできますので、熱の上昇を抑えられます。

さらに短絡をしたとしてもガスが発生するだけで、内部のセルを包装するアルミシールが膨らむだけで抑えられます(電池としての機能は失われます)。

ドローン用の電池を安全に使うには?

ドローン用の電池を安全に使うには?

今まで、リチウムイオン電池とリチウムポリマー電池について説明してきました。それではドローンに使う電池はどちらの方が安全性は高いのでしょうか。

リチウムポリマー電池は安全性が高い

一般にリチウムポリマー電池の方が、リチウムイオン電池よりも安全性が高いと評価されます。その理由は、電解質の形状によるところが大きいのです。

リチウムイオン電池の電解質は液体ですが、リチウムポリマー電池の電解質はゲル状です。

電解質がゲル状であるため、液漏れしにくく、構造の違いによる異常発熱や爆発の頻度が少ないといえます。

また、安全性とは違いますが、リチウムポリマー電池は軽量化できるので、ドローンにむいています。

リチウムイオン電池は電解液を入れるため、缶状の容器を使う必要があるのです。しかし、リチウムポリマー電池はアルミシートを使用するので、形状に自由度があるからです。

H3>ドローン用の電池の発火や爆発を防ぐためには

ドローンで使われるリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池に共通しますが、正しい取り扱いをしで、電池の発火や爆発を防ぎましょう。

電池や充電器は正規品を使い、正しく充電しましょう

リチウムイオン電池もリチウムポリマー電池もセル電圧は3.7Vです。セルを直列に接続して、必要な電圧を取り出しています。そのため、電池にあわせた電圧で充電できる正規品を使ってください。

過充電にならないように注意しましょう

充電器には過充電を防止する安全装置が組み込まれています。

しかし、期待した通りに安全装置が動作しなかったり、各セル間の電圧のバランスが崩れてしまったりする場合は、過充電になる恐れがあります。そのため、充電が終わった電池は充電器から取り外しましょう。

車内など高温になる場所に電池を放置しないようにしましょう

リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池は、高温に弱いという特性があります。とくに炎天下の自動車内は30分で45℃にもなるので注意が必要です。

これらの電池は周囲温度が25℃を基準に設計。

また、最高許容周囲温度は45℃と規定されています。極端に温度の高い場所になると、電池の寿命が短くなるだけではなく、電池内部の異常を起こす原因になります。

電池の膨張に気がついたら使用しない

電池の膨張に気がついたら使用しない

リチウムイオン電池もリチウムポリマー電池も膨らむことは、いくつかの要因があります。

この多くの原因は電池内部にガスがたまったことによるものと考えてよいでしょう。

二次電池は、充電と放電を繰り返すうちに徐々に劣化が進んでいきます。この際に電解質から微量のガスが発生します。

このガスを多く発生させるのが「過充電」と「過放電」です。

過充電では電池にかかる電圧が設計以上になりリチウムイオンを発生させてしまい、劣化が進みます。その結果、電解質の分解が進み、ガスが多く発生してしまうわけです。

過放電とは電池の容量がゼロの時に、さらにエネルギーを取り出してしまう放電です。

電池には自己放電という特性があり、電池を使っていない状態でも電池の容量が徐々に減っていきます。

この過放電の状態が長く続くと電極に悪影響をおよぼし、電解質から大量のガスが発生してしまいます。

電池の膨張は電池の劣化を判断する重要な指標です。目に見えるほど膨張した電池は劣化が進んでしまっていると考え、使用しないでください。

電池に衝撃を与えない

リチウムポリマー電池は電解質がゲル状で、電解質が液状のリチウムイオン電池に比べると衝撃に強いといわれています。

しかし、リチウムポリマー電池でも強い衝撃に起因する火災などの報告があります。注意して取り扱うようにしましょう。

電池の状況をよく把握しましょう

リチウムイオン電池もリチウムポリマー電池も充電できる電気の量が多く、一度に取り出せる電気の量も多いのが特徴です。

しかし、電池の容量が減ってくると急激に電圧が下がり、結果的に出力が下がります。

ドローンの墜落事故も電池に起因するものがあります。ドローンの飛行の際には電池の状況を確認するようにしましょう。

まとめ

ドローンに使われる電池として、リチウムイオン電池とリチウムポリマー電池があることを紹介し、これらの電池の違いや安全性についても説明しました。また、最後にドローン用の電池を安全に使う方法を記載しました。

リチウムイオン電池もリチウムポリマー電池も身近で使われ、生活に欠かせないものです。

一方、不適切な充電や高温に弱い面もあり、取り扱いを間違えると火災などの重大事故にもつながります。

これを読んでいただき、ドローン用電池の取り扱いの参考になれば、うれしく思います。

お問合せはこちら

国家ライセンス制度、補助金、講習内容など、ご不明点はいつでもご連絡ください。講習日に見学も受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。


お問合せメール022-738-8861
〒981-3203
宮城県仙台市泉区高森4-2-342
電話:022-739-8861
Mail:info@xd-fun.com

関連記事

飛行禁止区域が簡単に分かる!ドローンフライトナビ

DJI Flyアプリの機能説明と設定マニュアル2

全国のドローンレーサーが仙台で競演!「Tri Drone2022」

福島ロボットテストフィールドに行ってきました

【DJI初】白熱のバトルもできる!教育用ロボット RoboMaster S1 誕生

カスタマイズ可能!産業用に最適な3DRのSOLO(ソロ)

PAGE TOP